行付け儀式の依代には扇を用いること。

無地の扇の中心に一点のしるしのあるものが好ましい。

(谷崎は那智大社の扇祭で実際に使われたものを使用している。季節になると神社に連絡すれば譲ってもらえる(5000円くらいだった)ので、問い合わせて見るといいかも)

吉野によれば扇は男根の象徴であり神霊の憑座であるビロウの葉を起源とする神具であり、扇そのものも男根の象徴であるという。

UPHYCAのひめひこの視点でいえば、開いた扇はひめ、閉じた扇はひこを表る。

開いた扇は招く神霊を包むひめとなり、閉じた扇は神霊を送り返し、巫女に携えられるひことなる。

憑座となる扇は立てておく必要があるので、扇立ても準備しておくと良い。

小儀式の手順に沿って進め扇に神霊を呼ぶと、面前する巫女は顔面に熱感を覚える。

遠赤外線に似た、じわじわとした熱の感じを頼りに儀式を続けること。

人によれば赤々とした色を感じたり、艶めきを感じるかもしれない。

静電気に似た柔らかな圧を感じる場合もある。

お帰りいただく際には、この熱または圧が次第に冷めてゆき、静かに鎮まるを頼りに進め、扇をとじること。赤から次第に青々と色の移り変わるを想起するのも良い。

夕日が西に落ち、空が紫から濃紺に変わってゆくイメージで。

焦らず、丁寧に行うこと。

お座りいただいたのち、もし扇を手にとりたくなったり、動かしたくなった場合はそのようにする。扇に宿った神霊ののぞむままに遊ばせること。

この儀式で使用する扇は専用のものを用意し、これ以外には使用しないこと。