表題の漢字は宛字。場所の呼び名は極めて厳密に秘め事として扱われるべきものであるため、行付け巫女以外には決して口外しないこと。
稀巌に訪れる際はかがみの中心の丸十字の中央を目指し没入し、護衛としてけものを同行させること。
稀巌に到達したら
東を頭に、会陰を西に
天を仰ぎ頂きに寝そべって
右手に北、左手に南を握りしめる。
頭上には満月、股下には洞穴。
常夜の空に星々が輝くか、稲光が天を破るか。
裾野の穴から聞こえるは
人らの声か子守唄。
帰還の際は月と正面に対峙した状態(右手が南、左手が北になるように)になり、その後肉体の目を開き、かがみの紋様をじっくり目視すること。
体験したことの記録は記録帖の名前の中に記すこと。
自分以外のメンバーと記録を共有しながら、空間の密度を高めてゆくこと。
目下の稀巌での活動目的は、聖地としての強度を高めることである。