奔放の行は、うつわに受けた女神の火種を野生の火として限りなく拡張することにある。
自身でつけた巫女名の通りに、火は拡大し、変容し、ねられてゆく。
その過程で、時として静かな拒絶を必要とするときが訪れるかもしれない。
このゆびしぐさはそのような時に使うものである。
水の行を司る薬指の根元を、土を司る親指でぐっと押し込む。
水がむすびの作用をもって自身の中へと流れ込むのを、土嚢で堰き止めるようなイメージをもつ。
しっかりと抑えたら、そのまま拳を作り握り込む。
その状態をしばらく保つ。
これは満員電車や人の多い場所、あまり良い気配のない土地や人に出会った時などにも便利に使えるので、ことあるごとに使ってみて欲しい。
また逆に、自身に深く取り込みたい、深く関わりたい、感じたい物や場所のある場合は、右手を柔らかくにぎり、水の薬指に金の小指を添わせた形にする。
水の指でその物や場所に触れ、かすかに左回りに三度ほど揺する。限りなく全身の力を抜き、繊細な感覚に開きながら呼吸と共に自身とそれを溶け合わせる。
水はむすび、溶け合わせる働きをもつ。