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この行はししむらのひめひこ、つまり巫女にとっての身体的先祖への祈りの作法である。

なかなか故郷に帰れないなど、理由があり伝統的なお盆の先祖供養が行えない場合の代替法として作られた。なるたけ実家や婚家へ赴き、消えかけている先祖供養伝統の継承にあたり、消えゆく灯を継いでゆくことを推奨する。

もし何らかの事情で墓終い等が行われる場合は、この行に各家庭の伝統を折衷し、祈りの灯火だけでも細々次いでゆくひとつの手段とするも良い。

この行は3日間(準備を含めて4日間)行う。

まず前日に玄関を丁寧に掃除して、お香、切火、スマッジングなど各々の方法で清める。 次に祭壇を整え、以下のようなししむらのよりしろを作り、傍に置いておく。 迎えのお供え(水やお茶と食べ物。伝統食でも日々の食べ物でも)の準備も合わせて。

1日目、朝、玄関を少し開けひのうつわに迎え火を焚く。火力や煙が許すような環境なら、おがらや木片を。もし憚られるようなら折り紙や半紙でも良い。 迎え火が尽きたら、その燃え滓の上にししむらのよりしろを据え、以下をうたう。

(音声データあり)

あがししむらの ひめひこたちよ (名前や戒名などを唱える。分からない場合は何々家のひめひこたちよだけ唱える) やどりあれかし よりきたれ

前日に作っておいたよりしろをひのうつわの上に据え、蝶々に3回息を吹きかけ揺らす。 鳴物(マラカスや鈴、なければ数珠を)で迎え、蝋燭に火をつけ、みたま繋ぎを歌う。 歌い終わったら、迎えのお供えを据え 「よくおいでくださいました。送りの日までゆっくりお過ごしください。」 等の口上を述べ、みたまつなぎを歌う。

2日目、この日は可能な限り一日中家に居ること。朝昼晩の食事をお供として祭壇に運ぶ。お供えは特別なものでも良いが、その日自分が食べるものを同じように捧げるのがこのましい。お香やスマッジングもあわせてするとより良い。上げ下げの際には蝋燭を灯し、みあまつなぎを歌うこと。