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奔放巫女は皆、未来巫女の段階でけものおりを修めたことと思う。

一枚の正方形の紙が、折り方ひとつでありとあらゆるけものの姿になり、折を解けばまた一枚の紙に戻る。ひとつの素材が変幻自在に姿をむすぶそのさまに、自身のけものとの関係を読み取ってもらえていれば幸いである。

奔放巫女では一歩進み、祈りの術としての折紙をひとつおぼえてもらいたい。

折紙文化の発展は、まず平安時の紙漉技術の発達に伴う宗教的な儀礼折をはじまりとする。室町時代には武家の包み作法である折形が盛んになり、その後江戸時代の庶民にくだり遊戯として広く楽しまれるようになった。現代では子供の教育や高齢者の認知症予防に効果があるとされ、学校や病院でもカリキュラムのひとつとひて取り入れられている。

この、紙を折り包み畳む、という所作に森羅万象や神の昇降を見る信仰がある。

松浦彦操の器教、みふみかたどりである。

これは南北朝時代に宮中から零れ落ちた秘伝であり、代々女のみに伝えられてきた流儀を故あって祖母より伝授された松浦氏がはじめて公としたものである。冠婚葬祭のおりに祝い金や贈り物を包む熨斗も、起源はこれであるという。

みふみかたどりの伝える折形は秘伝であり、出版されたものに付録で付いている折形は、著者が口伝されたものを特別に公開したほんの一部であるという。

特定の意図が込めた折形は、紙折符、折符などと呼ばれる。

UPHYCAではこれを「おりふだ」と呼ぶこととする。

おりふだ作りには、返すときは左から右、折り上げるなら下から上へ、折をつける際は息を止める、回すときは左旋(右回り)にすること、使用する紙の寸法など様々に決まりがある。

この決まりはおりふだに力を持たせる際に必須で、これをけものおりやゆびしぐさと合わせることで、奔放巫女であれば一定の効果が狙えるはずである。