火は古来家の中心にあり、囲炉裏の火は決してたやすことはなかった。

万が一たやすことあれば、女が隣りの家に火種をもらいに行くことに決まっていたが、それは大変に恥ずかしいことであったという。また普段の煮炊きと、神事、忌事、月経、出産の際の火は必ず分けねばならぬとされ、これの風習は物忌を指す別火潔斎(べっか、わけび、べつび)として用語に残っている。

神事に使う火は汚れなき火でなければならぬため、いちから起こされた火を用いる。

この火を御神火(ごしんび、ごしんか)と呼ぶが、火山の火も同じくこのように呼ばれる。

火起こしにまつわる神事は全国の神社に見られ、特に有名なのは火の発祥地と呼ばれる出雲熊野神社の鑽火祭である。同神社内の鑽火殿には燧臼と燧杵が神器として保管され、様々の神事の際には神職らによりこれらを用いた古式のきりもみ式発火が行われる。

以下に様々の火付けにまつわる神事の動画をまとめておくので参考まで。

https://www.youtube.com/watch?v=IU_o2YifNO4

https://www.youtube.com/watch?v=yT6iUAzhVxo

https://www.youtube.com/watch?v=yEAah3GNpXI

これは火打鎌使ってます。カンカンでやってますね。